Beans. School
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Trivia
Deep Dive & Beyond Black
自家焙煎・喫茶文化
& アレンジ大全。

ここからは気が向いたら深掘りする寄り道。自家焙煎、2050 年問題、喫茶文化、ネルドリップ、そしてブラックの先へ。

  1. 01自家焙煎入門
  2. 022050 年、コーヒーはどこへ
  3. 03喫茶店の歴史(カフェー・パウリスタ)
  4. 04ネルドリップ(深煎りの繊細抽出)
  5. 05第 4 の波の日本独自進化
  6. 06茶道に通じる「儀式」
  7. 07ミルクの泡立て技術
  8. 08アイスラテ・カプチーノ
  9. 09コーヒーカクテル
  10. 10ティラミス・コーヒージェリー
  11. 11卒業おめでとうございます
Home Roasting · 次の一歩

自分で、焙煎してみる。

Home roasting with your hands.

卒業後の 「次の一歩」 として、生豆を買って自分で焙煎するという遊びがあります。専用ロースターは高価ですが、手網フライパンで誰でも始められます。

手網銀杏煎り器
¥1,000–3,000100g/回

最も古典的な道具。ガスコンロに20cm 離して 10〜15 分、絶え間なく振りながら焙煎。音(1 ハゼ・2 ハゼ)を聴きながら好みで止める。

フライパン鉄 or 厚手アルミ
家にある50–100g/回

フタをしつつ、木べらで常にかき混ぜる。受熱ムラを減らす工夫が要る。鉄フライパンは蓄熱性が良く初心者向け。


5 Steps · 手網焙煎の流れ
  1. 01
    生豆ピックSort欠点豆(未熟・カビ・虫食い・貝殻)を手で取り除く。これが味の 3 割。
  2. 02
    乾燥フェーズDrying5〜6 分。青臭さが消え、黄色→薄茶に変わる。振る手を休めない。
  3. 03
    1 ハゼFirst Crack「パチッ」と音。8〜10 分頃。止めれば浅煎り
  4. 04
    2 ハゼSecond Crack「パチパチ」と連続音。11〜14 分頃。止めれば深煎り
  5. 05
    急冷Cool Downザルに空けてうちわで冷ます。余熱で焙煎が進まないよう 2 分以内で常温に。
Tip · 生豆はどこで
楽天・Amazon・ワイルド珈琲等で 500g〜1kg の単位で買える。1 kg で 2,000〜3,500 円程度。初回は失敗しても OK な安めの豆(ブラジル・コロンビア)がおすすめ。

上手くいかなくても気にしないで。プロが数年かけて習得する技です。でも 「自分で焼いた豆」を一杯目に飲むときの感動は、何にも代えがたい。

— Home Roasting —
Column Essay · 2050

2050 年、コーヒーはどこへ向かうのか。

Coffee, at the edge of climate.
焙煎の現場

コーヒーは、地球上で最も気候変動に脆弱な農作物のひとつです。IPCC の予測では、このまま温暖化が進んだ場合、2050 年までにアラビカ種の栽培適地が最大 50% 減少する可能性が指摘されています。

背景にあるのは、気温上昇と降雨パターンの変化、そしてサビ病などの病害虫の北上です。アラビカ種は標高 1,200〜2,200mの冷涼な山岳地帯を好む繊細な品種。気温が数度上がるだけで、既存の生産地は 「適地」 ではなくなります。

すでに、エチオピアでは農家が標高を求めて山を登り、コロンビアやブラジルでは新興産地が高地へ移動しつつあります。さらに、これまで栽培されていなかったタイ北部ミャンマーの高原地帯で、スペシャルティ級のアラビカが育ち始めているのも、近年の興味深い動きです。

希望もあります。World Coffee Research が、病気耐性と風味品質を両立する F1 ハイブリッド品種の開発を進めており、数十品種が既に実用化段階。

Source note: 気候変動による栽培適地の減少は研究・シナリオによって幅があります。ここでは読者に背景を伝えるための概算として扱い、品種改良の記述は World Coffee Research の公開情報を参照しています。参考:World Coffee Research

あなたがこれから淹れる一杯は、誰かが摘んだ実から始まっています。そして 10 年後、20 年後も、その豆が手に入り続けるかどうかは、いまの私たちの選択にかかっている。── 一杯のコーヒーは、実は「地球との対話」でもあるのです。

— Column 2050 —
Bonus · 01 · History

1911 年、銀座から始まった。

A century of kissaten.

1911 年、銀座に「カフェー・パウリスタ」開店。日本のコーヒー文化の幕開け。ブラジル政府がコーヒー輸出促進のため、1 杯 5 銭という破格の価格で販売。

  • 1948 年「カフェ・ド・ランブル」開店(銀座)— 現存する世界最古のスペシャルティ店
  • 1964 年「珈琲館」開店、1969 年「コメダ」開店 — 全国チェーン化
  • 1971 年「銀座ルノアール」開店 — 「ビジネス喫茶」の代名詞
  • 1991 年「丸山珈琲」軽井沢で創業 — 日本のスペシャルティの先駆け
  • 1996 年「スターバックス銀座」上陸 — 第 2 の波の到来
  • 2015 年「BLUE BOTTLE 清澄白河」上陸 — 第 3 の波

日本独自の発展:「喫茶店」という業態は世界でほぼ日本だけ。60〜90 年代の自家焙煎喫茶が、サードウェーブの先駆けだったと、海外のコーヒー史家が指摘するほど。

Trivia · ブルマンを世界に広めたのも

ジャマイカ・ブルーマウンテンを世界に広めたのも日本の喫茶店文化。1953 年、京都「イノダ珈琲」がブルマンを定番化したことが、後の独占輸入の起点。

— Bonus · 1 —
Bonus · 02 · Nel Drip

布で淹れる、深煎りの作法。

Nel drip, the cloth filter.

ネルフィルター(フランネル布)を使う日本独自のドリップ法。ペーパーより目が粗く、コーヒーオイルが部分的に通過する。

  • 舌触りペーパーよりまろやか・厚み(オイル成分の半分が通過)
  • 香りペーパーより穏やか・深い(紙の干渉なし)
  • クリーン感フレンチプレスより透明

向く豆深煎り。苦味・コクの厚みを引き出しつつ、雑味は抑える。「ネルは深煎り」が日本のコーヒー文化の常識。

ケアの作法

使用後は水洗いのみ(洗剤厳禁)/濡れたまま冷蔵庫保存(乾燥で繊維が劣化)/30〜50 杯で交換

代表的店

カフェ・ド・ランブル(銀座)、大坊珈琲店(旧南青山)、cafe 萄。家庭でやるならハリオ「ウッドネック」(¥3,000〜)。手間をかける儀式性そのものが、ネルの魅力。

— Bonus · 2 —
Bonus · 03 · 4th Wave Japan

世界が、日本に学びに来る。

Japan’s unique 4th wave.

世界の「第 4 の波」が科学+テクノロジーに向かう中、日本は独自の進化をしている。

こだわり志向の極端化

  • 1 人完結の自家焙煎店坂本さんの Beans. もこの系譜
  • 同人誌的な店主の発信焙煎ノート公開・SNS 配信
  • シングルオリジン × ロット指定が当たり前
  • 海外バイヤーが日本に買い付け東京の小規模ロースターから世界へ

茶道との接続

  • 作法・所作・もてなしコーヒー儀式化
  • 季節の豆春のエチオピア・夏のコールドブリュー・秋のケニア・冬のグアテマラ
  • 道具を愛でる文化HARIO・KINTO・カリタの系譜
Trivia · 世界が見ている日本のロースター

粕谷哲(Philocoffea / 千葉)は 2016 年 World Brewers Cup 優勝、4:6 メソッドを世界に広めた。Glitch Coffee(神田)Onibus Coffee(中目黒)Single O JapanLight Up Coffee(吉祥寺)あたりは海外バイヤーが定期的に訪れる。2015 年 Blue Bottle 清澄白河上陸を機に、日本の小規模自家焙煎が「世界の参照点」として再評価された。

日本のコーヒー文化は「深く・繊細に・じっくり」。サードウェーブを「茶道」化したのが、日本の第 4 の波と言える。

— Bonus · 3 —
Bonus · 04 · Ritual

淹れる時間が、瞑想になる。

Coffee as ritual.

日本のコーヒー文化の根底には、「儀式(リチュアル)」という感覚があります。茶道に通じる思想。

茶道の四規:和・敬・清・寂(和やかさ・敬意・清らかさ・静けさ)。これをコーヒーに置き換えると:

  • 誰かと一緒に淹れて飲む(または、一杯を分かち合う想像)
  • 豆と道具と作り手への敬意
  • 器具を整え、空間を整える
  • 注ぐ音、湯気、待つ時間。何もしない時間を肯定する

淹れる時間が、瞑想になる」── この感覚は、忙しい現代人のメンタル健康にとって大きな価値。マインドフルネス研究でも、5 分の呼吸瞑想と同等の心拍変動改善が、コーヒーの淹れ作法で観察されている(小規模研究)。

コーヒーを淹れながら
誰かを想う時間を
作ってほしい。

── 坂本 翔

坂本さんが書籍にも刻んだこの言葉は、儀式性そのもの。書籍のタイトル「毎日がちょっと楽しくなる」も、この日常の儀式が積み重なる感覚から。

— Bonus · 4 —
Bonus · 05 · Milk Foam

家でも、カフェの泡を。

Microfoam at home.

カフェラテやカプチーノに不可欠なマイクロフォーム(極小気泡のミルク)。家庭でも作れます。

道具

  • ミルクピッチャーステンレス製・¥2,000〜
  • ハンドフローサー電動・¥1,500〜/なければフレンチプレスで代用可

手順

  1. 01冷たい牛乳を 1/3までピッチャーに注ぐ
  2. 0260〜65℃ に温めながらフローサーで撹拌
  3. 03表面に「光沢のあるシェービングクリーム」状になればベスト
  4. 04ピッチャーを軽く打ち付けて大きな気泡を消す

ラテアート最初の一歩:カップの底から注ぎ始める → 手前から後ろへゆっくり → 最後に真上から細く引いて模様を作る。

Tip · 牛乳の選び方

牛乳は3.6% 以上の脂肪分(成分無調整)が泡立ちやすい。豆乳・オーツミルクは「バリスタ仕様」表記のものを。普通のものは泡が立たない。

— Bonus · 5 —
Bonus · 06 · Iced Latte

3 層の、美しいグラデーション。

Iced latte at home.

家庭でカフェ品質のアイスラテを淹れる。

材料(1 杯)

濃いめのコーヒー 60ml(エスプレッソ または ハンドドリップ濃いめ)
冷たい牛乳 150ml
氷たっぷり

手順

  1. 01グラスに氷を 8 分目まで
  2. 02冷たい牛乳を注ぐ
  3. 03コーヒーを上から静かに注ぐ → 3 層の美しいグラデーション
  4. 04ストローで混ぜながら飲む

濃いコーヒーの作り方(エスプレッソマシンなしで)

  • ハンドドリップ濃いめ粉 20g・湯 80ml で短時間抽出
  • AeroPress インバート式粉 17g・湯 100ml
  • モカポット直火式エスプレッソ・¥3,000〜
Tip · コーヒー氷

コーヒー氷を作っておくと、水で薄まらない究極のアイスコーヒー。前日のドリップを製氷皿で凍らせる。

— Bonus · 6 —
Bonus · 07 · Cocktails

大人の、夜の楽しみ方。

Coffee cocktails for grown-ups.

コーヒー × アルコールの世界。大人の楽しみ方。


アイリッシュコーヒー

古典・1943 年アイルランド発祥

材料

ホットコーヒー 120ml・アイリッシュウイスキー 30ml・ブラウンシュガー 1 さじ・生クリーム 大さじ 2

グラスを温める → ウイスキー+砂糖+コーヒーを混ぜる → 生クリームを軽くホイップして上から浮かべる → 2 層を保ったままストローを使わずに飲む(クリーム越しのコーヒー)。


エスプレッソ・マティーニ

1983 年ロンドン発祥

材料

エスプレッソ 30mlウォッカ 50mlカルーア 15ml・砂糖シロップ 10ml

シェイカーに材料 + 氷 → 20 秒激しく振る → クープグラスに濾して注ぐ → コーヒー豆 3 粒をトッピング(健康・富・幸福の象徴)。

Trivia · 「目を覚ます酔っぱらい」

エスプレッソ・マティーニは「目を覚ます酔っぱらい」のために考案された。バーテンダー Dick Bradsell の傑作。

— Bonus · 7 —
Bonus · 08 · Desserts

コーヒーで、作るデザート。

Coffee desserts at home.

失敗しにくい 2 品。


コーヒージェリー(30 分)

材料

濃いコーヒー 400ml・砂糖 大さじ 3・粉ゼラチン 5g・水 大さじ 2

ゼラチンを水で 5 分ふやかす → 熱いコーヒーに砂糖、ゼラチンを溶かす → 容器に流して冷蔵 3 時間 → 生クリーム + シロップをかけて完成。


ティラミス簡易版(1 時間)

材料

マスカルポーネ 250g・生クリーム 200ml・砂糖 大さじ 4・卵黄 2 個・ビスコッティ(フィンガービスケット)1 袋・濃いコーヒー 200ml・ココアパウダー 適量

  1. 01卵黄+砂糖を白くなるまで混ぜる
  2. 02マスカルポーネを加え混ぜる
  3. 03ホイップした生クリームを合わせる
  4. 04ビスコッティをコーヒーに 2 秒浸す → 容器に並べる
  5. 05クリーム → ビスコッティ → クリーム の順で重ねる
  6. 06冷蔵 1 時間以上 → ココアをかけて完成
Tip · 本格派

ティラミスは濃いコーヒー(エスプレッソ or 濃ハンドドリップ)+ 少量のラム酒で本格派に。

— Bonus · 8 —
Journey Complete

ここまで読んでくれて、
ありがとうございます。

飲み比べ、焙煎、記録、そして寄り道。3ヶ月の教材はここで一区切りです。これからは、あなたの毎日の一杯が次の教科書になります。

卒業おめでとうございます。
コーヒーの旅は、
今日の一杯から続きます。

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Graduation
ご卒業、
おめでとうございます。

ここから先は、毎日の一杯があなたの教科書です。

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