3 号のスクールは、もうすぐ終わります。でも、コーヒーの旅に終わりはない。ここから先を楽しむためのパスと、大きな問いを手渡して、スクールを閉じます。
何かに追われるように過ぎていく毎日。そんな日々の中で、コーヒーを淹れる時間は、私にとって “意識的に余白をつくる行為” です。
朝、仕事を始める前の一杯。作業の間の一杯。夜に心をほぐす一杯。湯を沸かし、豆を挽き、ゆっくりと湯を注ぐ──。その数分、スマホから離れ、湯の音やコーヒーの香りに意識を向けていると、呼吸が深くなり、頭のざわつきも静まっていきます。
僕にとってコーヒーは、単なる飲み物ではなく、忙しい日々の中で、呼吸を整えてくれる存在です。
僕は基本的にリモートワークなので、自分でリズムをつくらなければ、仕事は延々と続いてしまいます。気づけば画面を見続けたまま、一日が過ぎてしまうこともあります。だから朝と昼食後には、必ずコーヒーを淹れています。
必要なのは、ほんの 5 分ほど。その気になれば、どんなに忙しくても確保できる時間です。どれだけ会議が詰まっていても、この時間だけはつくるようにしています。
この間はスマホや PC から離れ、自分と向き合うことができます。コーヒーを淹れながら、その日のタスクを整理したり、湯を注いでいる間に、散らばっていた思考が、自然と整っていきます。
立ち止まることは、前に進むための準備でもあります。コーヒーは僕にとって、そのための装置のようなもの。静かに気持ちを切り替える、小さなスイッチのような存在です。
僕がコーヒーを淹れるようになったのは、単純に好きだったからです。けれど暮らしていくうちに、その意味は少しずつ変わっていきました。家族と暮らしていると、いろいろなことがあり、感謝や謝罪もうまく言葉にならない日もあります。そんなとき「コーヒーいる?」という一言で、止まっていた空気がやわらぐこともあります。
入れ違いの朝に、キッチンに一杯置いておくだけで、わだかまりが少しほどけることもあります。湯気の立つカップが、言葉の代わりに気持ちを伝えてくれる──。僕は、コーヒーにあるそんな静かな力が好きです。
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3 ヶ月、よく歩いてきてくれました。最初の月、あなたは 「はじめての一杯」 をおずおずと淹れていたはずです。それが今は、自分の好きな座標を具体的な言葉で語れる。
これは、小さな変化のようでいて、実は大きな旅の始まりです。コーヒーは、飽きません。季節が変わり、焙煎士の腕が上がり、あなたの舌が育てば、同じ豆ですら別の物語を聴かせてくれる。
完璧な一杯じゃなくていい。
自分の手で淹れた、
ただの一杯が、いちばん美味しい。
第 1 号 の最初で伝えたこの言葉、今はきっと、違う響きで届いているはずです。
これからも、時々 Beans. を覗きに来てください。あなたが どんな豆に出会って、どんな感想を持ったか── それが、私たちの次のスクールを育ててくれます。