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Vol. 2 — Taste the Difference

違いがわかる

Origin meets Processing.
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Delivered · in today’s box

今月のお届け。

Your Vol. 2 box, unpacked.
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Vol.2 のボックスを開けると、4 種類の豆袋(A: アフリカ・ウォッシュド / B: 中南米・ウォッシュド / C: アフリカ・ナチュラル / D: 中南米・ナチュラル)とテイスティングシートが並ぶ俯瞰。
第2回のお届け物

Vol. 2 は「飲み比べキット」。産地 × 精製方法の 2 軸を体感するため、タイプの違う 4 種のコーヒー豆が届きます。

  • Aアフリカ産・ウォッシュド花・柑橘・紅茶系
  • B中南米産・ウォッシュドナッツ・チョコ・バランス
  • Cアフリカ産・ナチュラルベリー・完熟フルーツ
  • D中南米産・ナチュラルカカオ・赤ワイン系
  • 05テイスティングシート4 杯の記録用
  • 06教材案内Web / PDF ダウンロード

※ 実際の産地・銘柄は季節と入荷により変動。到着時のカードに詳細を記載。

— 1 —
Welcome · month two

おかえりなさい、
2 ヶ月目へ。

Welcome back to month two.
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2 ヶ月目に入った受講生がカップを手に、4 種の豆を眺める所作。Vol.1 を経て少し慣れた手つきで、新しい豆との出会いを迎える朝。
4–5s ループ

先月あなたの手で淹れた最初の一杯、覚えていますか。今月はその先、「なぜ違う味がするのか」を、舌と頭の両方で解いていきます。

キーワードは 産地精製方法。この 2 つの変数が揃うだけで、同じ「コーヒー」という飲み物が、まるで別物のように香り立ちます。

今月は 4 種類の豆が届きました。同じレシピで淹れて、味の違いを 聴いてみてください。

── Beans. Coffee School

Roadmap · bean to palate

3 ヶ月のロードマップ。

Your route, from bean to palate.
  • Vol. 1 / Month 1はじめての一杯Done
  • Vol. 2 / Month 2違いがわかるNow
  • Vol. 3 / Month 3自分の一杯を見つける
— 2–3 —
Review · Vol. 1 recap

前回の、ふりかえり。

A quick look back at Vol. 1.
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Vol.1 で身につけた『ブレない一杯』を象徴する写真。淹れたてのコーヒー、変数を制御するレシピノート、湯気が立つカップ。

Vol. 1 でお伝えした ハンドドリップ基本レシピを、改めておさらいしておきましょう。今月の飲み比べも、同じレシピで淹れることで 「味の違いだけ」 を浮かび上がらせます。

Basic Recipe · 基本レシピ

粉 15g / 湯 240ml / 湯温 93℃ / 中挽き
4 投に分けて、トータル 2 分 30 秒前後で抽出を完了。

今月は 4 杯を、まったく同じレシピで淹れます。変えるのは「豆」だけ。こうすることで、産地と精製方法の違いが、はっきり舌に届きます。

もし抽出に不安が残っている場合は、Vol. 1 の実践編(STEP 01〜11)を見直してみてください。動画と一緒に、もう一度。

— Review —
I
Chapter One
豆の、ものがたりを開く。
  1. 01品種 ── アラビカとロブスタ
  2. 02コーヒーチェリー 6 層構造
  3. 03赤道ベルト ── 産地と気候
  4. 04精製方法 ── 4 つの物語
Chapter I · 01 · Species

アラビカとロブスタ。

Two species, two characters.
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アラビカ種(楕円・長め・キレ味のある形状)とロブスタ種(丸・厚み・コクのある形状)の生豆を並べた接写。形状の違いが一目でわかるマクロ俯瞰。

コーヒーノキの仲間は 100 種類以上。しかし、飲用として商業栽培されているのは、事実上 3 種のみ。市場で出会うのはほぼ アラビカロブスタの 2 種です。

アラビカとロブスタの豆比較
Arabicaアラビカ種
世界の 約 60%標高 1,200〜2,200m病害に弱いカフェイン 1.0〜1.4%

繊細・複雑・高品質。スペシャルティ表記はほぼすべてこの種。楕円形で S 字のセンターカット。ティピカ・ブルボン・ゲイシャなど品種多数。

Robustaロブスタ種
世界の 約 40%標高 200〜900m病害に強いカフェイン 2.0〜2.7%

力強い・苦い・安価。まん丸で直線のセンターカット。缶・インスタント・エスプレッソブレンドに多用。低地で育ち栽培コストが低い。


Main Varieties · 主要品種

アラビカの、代表品種。

オリジンは エチオピア〜イエメンTypica / Bourbonティピカ/ブルボン

すべての品種の。ティピカは繊細な甘み、ブルボンは厚みとボディ。中南米のスペシャルティは多くがここから派生。

原産はエチオピア・2004 年パナマで世界注目Geishaゲイシャ

ジャスミン × ベルガモット × 桃。エチオピア西部 Gesha 地区原産で、2004 年パナマ Hacienda La Esmeralda の出品が世界に衝撃を与えた。2024 年 Lamastus 私設オークションで 1kg 約 13,500 米ドルの高値も。

現代の品種改良F1 HybridsF1 ハイブリッド

World Coffee Research などが開発する病気耐性 × 風味品質両立の新世代。気候変動への回答として数十品種が実用化段階。

第 3 の原種 · Liberica

リベリカ種は西アフリカ・フィリピンの一部でのみ栽培。世界流通の 1% 以下で、見かけたら超レア。薬草のような独特の香りが愛好家を惹きつける隠れた存在。

— Species —
Chapter I · 02 · Cherry

コーヒーチェリー、
6 層の構造。

Six layers of a coffee cherry.
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コーヒーチェリーの断面図とリアルな写真を並べたインフォグラフィック。外皮 / 果肉 / 粘液質 / パーチメント / シルバースキン / 種子 6 層が一目で見える。

私たちが「コーヒー豆」と呼んでいるものは、実はコーヒーノキに実る果実の種です。赤く熟した果実はさくらんぼに似ていることから、業界ではコーヒーチェリーと呼ばれます。

コーヒーチェリーの断面図

チェリーは玉ねぎのような多層構造。外側から順に、

  • 外皮赤い皮。熟度の指標となる、最も外側の層。
  • 果肉ほんのり甘い果汁を含む、みずみずしい層。
  • ミューシレージネバネバの粘液質。発酵で風味を生む重要層 ── 精製方法で残し方が変わる。
  • パーチメント種を守る薄い殻。精製で取り除かれる。
  • シルバースキン薄い銀色の膜。焙煎時に剥がれ落ちる。
  • 種子(豆)中心にある 2 粒の種。これが焙煎後の豆に。
Key · ミューシレージが、味を決める

この後登場する 4 つの精製方法(Washed / Natural / Honey / Anaerobic)は、ミューシレージ(粘液質)をどう扱うかの違いそのもの。
この層が、コーヒーの味わいのもう一つの 「発酵由来の香味」 をつくります。

チェリー 1 粒には通常種子が 2 つ入っています。ごく稀に 1 つしか入らない実があり、その 1 粒は「ピーベリー」と呼ばれます。丸くて甘みが凝縮している希少な豆で、全体の 3〜5% ほど。

— Cherry —
Chapter I · 03 · Origin

赤道ベルト、
その両側だけ。

Coffee grows only along the equator.
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世界地図上に赤道ベルト(北回帰線〜南回帰線)がハイライトされ、エチオピア・ブラジル・コロンビア・インドネシア等の主要産地に豆アイコンがプロットされたインフォグラフィック。
赤道ベルトの産地マップ

コーヒーの木が育つのは、赤道を中心に北緯 25°〜南緯 25°の 「コーヒーベルト」 と呼ばれる限られた地帯だけ。世界のコーヒーの 95% 以上が、この帯状のエリアから届いています。

良質なアラビカに必要な条件は、おおよそ 3 つ。

Terroir · アラビカが好む条件

気温 15〜24℃/朝夕の寒暖差がはっきりある
標高 1,200〜2,200m/冷涼な高地
降雨量 1,500〜2,500mm/乾季と雨季が分かれる


Origin Character · 産地の個性

三大エリア、三つの顔。

Three regions, three characters.
AfricaEthiopia / Kenyaアフリカ

花・柑橘・ベリー・紅茶。コーヒー発祥の地エチオピアは原種の宝庫。ケニアは AA 等級で世界最高峰の酸味と複雑さ。

Latin AmericaColombia / Guatemala / Brazil中南米

ナッツ・チョコ・バランス。毎日飲めるクリーンさ。ブラジルは世界最大の生産国、コロンビア・グアテマラは標高ある高品質産地。

Asia / PacificIndonesia / PNG / Vietnamアジア・太平洋

スパイス・アーシー・厚み。マンデリンの名で知られるスマトラ式の独特な精製、PNG の繊細さ、ベトナムはロブスタ最大の生産国。

— Origin —
Chapter I · 04 · Processing

精製方法、
4 つの物語。

Four ways to process a cherry.
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4 種類の精製方法(Washed / Natural / Honey / Anaerobic)の処理風景を 2x2 グリッドで並べた俯瞰。水洗い・天日乾燥・粘液質残し・密閉発酵の各工程。

チェリーから種を取り出す「精製」は、コーヒーの味わいを左右する最大の工程のひとつ。水洗い、日干し、粘液質を残すか、密閉タンクに入れるか。各方法には、生まれた時代と場所の物語があります。

17 世紀・オランダ領東インドWashedウォッシュド(水洗式)

湿度の高い土地で安定生産するため発明。発酵槽で粘液質を溶かし、水で洗い流す。クリアな酸味と透明感。

原初からエチオピア伝統Naturalナチュラル(自然乾燥)

エチオピア発祥、最古の方法。チェリーごと天日干し。果肉の甘みとベリー・完熟フルーツの香味が豆に移る。

2000 年代・中米Honeyハニー(パルプトナチュラル)

コスタリカ・エルサルバドルが普及。外皮を剥いだ後、粘液質をあえて残して乾燥。White / Yellow / Red / Black の 4 段階で風味が変化。

2015 年・ワールドバリスタ優勝Anaerobicアナエロビック(嫌気性発酵)

サシャ・セスティックが 2015 年 WBC で優勝し、ワイン醸造由来の Carbonic Maceration を持ち込んだのが起点。密閉タンクで酸素を絶って発酵。トロピカル・ワイン・シナモンなど衝撃的な香味。第 4 の精製として 2010 年代後半から爆発的に普及。

共通する鍵 · ミューシレージ

4 つの方法すべてが、チェリー内の粘液質(ミューシレージ)をどう扱うかで性格を分けている。洗い流す/残す/部分的に残す/酸素を絶って発酵させる ── それだけで、同じ豆がまったく別の味になる。

— Processing —
Method 01 · Washed

ウォッシュド。
透明感の、発明。

The washed method.
VIDEO
ウォッシュド精製の現場映像。コーヒーチェリーが水槽で洗われ、果肉が剥がれて種子だけが現れる工程。透明な水と緑の生豆のコントラスト。
4–5s ループ
Washed 精製

水で粘液質をすべて洗い流す方法。17 世紀、オランダ領東インド(インドネシア)で高温多湿の土地でも安定して生産するために考案されました。

工程 · the process

① チェリー収穫 → ② 外皮と果肉を機械で除去 → ③ 発酵槽に 12〜36 時間浸け、粘液質を分解 → ④ 大量の水で洗い流す → ⑤ パーチメントのまま乾燥 → ⑥ 脱殻

Flavor味わいの特徴
クリーン明るい酸味花・柑橘・紅茶ボディ中庸

粘液質を完全に除去するので豆本来の個性(品種・標高・土壌)がストレートに出る。現代スペシャルティの 「基準点」。

Origin主な産地
ColombiaGuatemalaKenyaEthiopia

水資源が豊富な地域で普及。世界のスペシャルティの 60〜70% がこの精製。ケニア式(ダブルウォッシュド)は発酵を 2 回繰り返す。

Note · 水消費

1kg のコーヒー生産に 約 40L の水を使う。近年は水の再循環システムや乳酸発酵などサステナブルな改良が進んでいる。

— Washed —
Method 02 · Natural

ナチュラル。
最古の方法が、いま復権。

The natural method.
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ナチュラル精製の天日乾燥棚(アフリカンベッド)に、赤いコーヒーチェリーが整然と並ぶ俯瞰写真。エチオピア高地の朝霧の中で乾燥が進む光景。
Natural 精製

チェリーを 収穫したまま天日干しし、果肉ごと乾燥させる最古の精製。エチオピアの伝統方法で、機械も水も使わず、太陽と風だけで完成します。

工程 · the process

① チェリー収穫 → ② アフリカンベッド(高床式乾燥棚)に広げて 3〜5 週間天日干し → ③ 毎日手作業で撹拌 → ④ 糖度を果肉から豆に移す → ⑤ 脱殻

Flavor味わいの特徴
ベリー系完熟フルーツワイニーボディ厚

果肉の糖と酵素が豆に染み込み、発酵由来の甘みと厚み。ストロベリー・ブルーベリー・トロピカル・赤ワインなど、華やかで記憶に残る香味。

Origin主な産地
EthiopiaBrazilPanamaYemen

雨季が短く乾季が長い産地で成立。エチオピアのイルガチェフェ G1 は世界が憧れる Natural の代表。ブラジル・パナマのナチュラルも近年高評価。

Note · 難しさと希少性

天候頼みなので年によって品質にブレが出る。カビや過発酵のリスクも高く、精製士の腕が問われる。成功した年の Natural は、その年の 「顔」 になる。

— Natural —
Method 03 · Honey

ハニー。
粘液質を、あえて残す。

The honey method.
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ハニープロセスの中間段階。粘液質(ミューシレージ)を残した黄色〜赤の豆が乾燥棚で日光を浴びる。中米コスタリカの典型的な処理風景。
Honey 精製

2000 年代にコスタリカ/エルサルバドルを中心に確立。Washed と Natural の中間で、外皮を剥いだ後、粘液質(ミューシレージ)をあえて残して乾燥させます。

ベタついた粘液質がハチミツのように見えることから 「Honey」。糖分のせいではありません。

4 段階のハニー · how much mucilage stays

White Honey(粘液 0〜25%)|Washed 寄りクリーン
Yellow Honey(25〜50%)|バランス
Red Honey(50〜75%)|甘み&ボディ厚
Black Honey(75〜100%)|Natural 寄りフルーティ

Flavor味わいの特徴
甘み蜂蜜キャラメル滑らか

Washed のクリーンさに、Natural の甘みとボディが加わる。ハチミツ・メープル・キャラメルのような、落ち着いた甘さが特徴。

Origin主な産地
Costa RicaEl SalvadorNicaragua

コスタリカが 2000 年代後半に本格化。いまや中米のシグネチャー。生産者ごとに Honey の割合が選べるのも個性。

— Honey —
Method 04 · Anaerobic

アナエロビック。
「第 4 の精製」 が変えたもの。

The anaerobic method.
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アナエロビック処理用の密閉ステンレスタンクが並ぶ風景。タンクのバルブから二酸化炭素が抜ける『嫌気性発酵』の現場、温度計とタイマーが見える。
Anaerobic 精製

2015 年、サシャ・セスティックがワールドバリスタチャンピオンシップで優勝し、ワイン由来の Carbonic Maceration(炭酸浸漬)をコーヒーに持ち込んで世界に衝撃を与えました。密閉タンクで酸素を絶って発酵させることで、従来の精製にない香味が引き出されます。

工程 · the process

① チェリー or 果肉除去後の豆を 密閉ステンレスタンクに投入 → ② CO₂ を注入し酸素を排除 → ③ 温度・pH・時間を精密制御しながら 48〜120 時間発酵 → ④ 洗浄 → ⑤ 乾燥

Flavor味わいの特徴
トロピカルワインシナモン独特

パッションフルーツ、マンゴー、赤ワイン、ラム酒、シナモン…従来の精製では出にくい 極端に個性的な香味。好き嫌いははっきり分かれる。

Origin主な産地
ColombiaCosta RicaPanamaTaiwan

設備投資が必要なため実験志向の小規模農園から普及。2010 年代後半から爆発的に広がり、いまではスペシャルティの 「攻め」 の代名詞に。

Note · さらなる発展

最近は Thermal Shock(加熱冷却ショック)、Co-fermentation(他の果実と混ぜて発酵)など派生が続々。コーヒーのフロンティアは、いま精製工程にある。

— Anaerobic —
End of Ch. I
Next · Chapter II
次は、「飲み比べて、
違いを聴く」へ。

ここまで、豆のものがたり(品種・チェリー・産地・精製)を巡りました。次は、届いた 4 種の豆を実際に淹れて、舌で違いを体感します。

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